取材の前に必要な基礎的情報
取材を円滑に進めるために、事前に主な質問項目を用意して、
取材を受けていただく方に前もってお渡ししておくことはよくあります。
適切な回答を取材でいただくためにも、この方法は有効と思います。
ただ質問項目を用意するには、取材のカギとなる基礎的な情報が必要です。
例えばシステム導入事例であれば、「コスト削減」「作業効率アップ」など、
導入に至った基本的な理由ぐらいは事前に欲しいところです。
コスト削減が大きな理由と分かれば、
「従来何にコストを要してたか」
「どのくらい削減できたか」
などの質問をあらかじめ用意することができます。
理由が作業効率アップならば、
「ムダと感じていた部分はどこか」
「効率アップで何が可能になったか」
などの質問で取材を進めていくことになるでしょう。
これがもし何も事前情報がない状態だと、
「なぜ導入したか」以上の質問は用意できなくなります。
取材は、いただいたお話の中でどこにポイントがあるかを見極めていくため、
相手の回答を受けてどの方向に話を転がしていくべきかを考え、
その方向に沿って次の質問をその場で考えていきます。
システムの世界で言うところの「木構造」のように進んでいくわけです。
あらかじめ決めておいた項目を直線的に聞いていくわけではないところが
アンケートやヒアリングと大きく異なる点です。
本音を言えば、取材はフリーハンドで行いたいため
事前に質問項目を用意するのは本当はしたくないところです。
しかし完全にフリーハンドだと確かに取材を受ける方は大変だと思うので、
求めがあれば事前に質問項目を用意するのですが、
入口となる基礎的情報がないと、木構造の最初の分岐でどの方向に分岐するのか分かりません。
すると事前の質問項目は、作ったとしても入口部分だけになり、
その先のほとんどの質問は当日その場でぶつけることになります。
つまり取材を受ける方に事前準備していただくことができなくなるのです。
以前、システム導入事例で基礎的情報がほとんどなく、取材当日に導入理由から聞いたら、
とても事例広告にできるような理由ではなく、ハタと困ったことがあります。
そうしたことを防ぐためにも、基礎的な情報のご提供に御協力いただければと思います。