遠隔授業27コマやって分かったこと
遠隔授業のシリーズが今日でついに終了しました。
5月半ばから今日まで90分×計27コマ、専門学校の無人の教室から授業を中継する形で行っていくうちに、いろいろ長所短所が分かってきました。
短所から先に言うと、やはり進度が遅くならざるを得ない。
普通の授業なら学生の表情から理解度を読み取れるけど、それができません。
受講する学生は102人いるため、仮に映像を双方向にしたとしても表情を読み取るのは無理でしょう。
たびたび念を押しながらの進行になってしまいます。
ノートを取る動きも分からないため、ちゃんと取れたかを声を掛けて確認しなければなりません。
カメラで映す黒板の字は想像以上に小さく見えるので、普段より大きく書く必要があります。
その分書いたり消したりを繰り返すことになり、確認の頻度も多くなります。
遠隔授業を先行して始めていた常勤の先生から「通常の授業の3分の2ぐらいしか進まない」と聞いていたのですが、確かに終わってみると昨年と同じ内容なのに遠隔授業では1.5倍のコマ数を要していました。
長所としては、コメントでいろんな反応が返ってくることです。
普通の授業では、こちらが何か問いかけても発言してくれる学生は限られます。
でも「これなんでか分かる? 分かった人コメント書いて」と問いかけると、こちらが目で追いかけられないぐらいたくさんのコメントが返ってきます。
問いかけなくても授業中にときどき「それってこういうことですか?」みたいなコメントが来て、それに反応する形で話を広げたり、説明不足だったことに気づいて補足したりすることができます。
コメントだと反応がしやすいのでしょう。
授業は基本的には座学ですが、PCでの実験も織り交ぜやすいのも長所です。
僕は主にネットワークとセキュリティを担当しているのですが、自分のIPアドレスを調べさせたり、tracertコマンドでいろんなサーバを経由して相手まで届くことを実感させたり、ハッシュ値を計算するサイトでハッシュ値の変化を体験させたりすることは、今までできなかったことです。
来週から通常の対面型の授業に移るのですが、長所を生かすために今後も遠隔授業で使ったシステムを何らかの形で活用できないかと考えています。
ところでその遠隔授業で使ったMicrosoft Teamsですが、授業の録画はできるけど、設定にかかわらず強制的に四分割画面で録画される機能は、どうにかしてほしいものです。
通信できなかった学生のために録画したいのですが、この状態で録画されるので、あまり活用できませんでした。