福岡空港の新滑走路

先月、福岡空港のB滑走路が供用開始しました。
従来のA滑走路と並行する国際線の誘導路を滑走路化することで
土地を広げることなく滑走路をAとBの2本にしたものです。
写真の着陸中の滑走路が従来からあるA、その奥が新しいBです。
奥でB滑走路と並行に待機しているのはBからの離陸を待っている機体です。
福岡空港は滑走路1本の空港としては発着回数が日本最多で
混雑が常態化していましたが、B滑走路の運用でその改善が期待されています。
ただ、もともと国際線の誘導路だったところなので滑走路間の間隔が短く、
同時離陸や同時着陸などAとB両方を完全に並行して運用することはできません。
そのため運用可能本数が2倍になるわけではなく、
増えるのは1時間あたり2本程度にとどまるようです。
それでもかなり厳しい運用を強いられていた福岡空港にとっては大きな前進です。
従来は着陸した機が滑走路を完全に離脱するまで
離陸する機体は滑走を始めることができませんでした。
しかし新しい運用では、前者と後者の滑走路が別であれば、
離脱を待つことなく滑走開始できるようになったようです。
着陸機が近づいている時は、次に飛び立つ機体は滑走路外で待たないといけませんでしたが
今は滑走路内待機が可能になったようで、その分すぐ飛び立てるようになっています。
市街地にあり拡張ができず、22時までしか離発着できない福岡空港は
根本的な解決手段として何度も「新空港」構想が出ては消えてきました。
具体的な場所の案(洋上)も示されていましたが、その場所に作ったとしても
中心地から地下鉄で5分という今の便利な空港が完全廃止になるとは考えられません。
結局、関空に対する伊丹、セントレアに対する小牧のような形で中途半端に残るでしょう。
さすがに福岡は関西や名古屋のように2つの空港を支えられるほどの市場はありません。
福岡には近郊に24時間運用が可能な北九州空港や佐賀空港があります。
福岡空港とそれらとの距離は、羽田と成田、セントレアと小牧の距離と大差ありません。
福岡空港、北九州空港、佐賀空港の相互での便利なアクセス手段を確立し
広域で旅客や貨物をさばいていくのが現実的と思っています。