僕にとってのコンピュータの原体験

僕は大学時代、経済学科で統計学の先生のゼミに所属していました。
旧総務庁の統計局長から大学教授に転身した先生で、
歴史上有名な池田勇人内閣の「所得倍増計画」の理論武装にも携わったそうです。

卒論ではデータ分析が必要です。
当時個人でPCを持っている人はほとんどいませんでしたが、大学には自由に使えるPCがあります。
ゼミの友達はみんなそのPCでデータ分析を行っていたのですが、
僕は「使い方覚えるのメンドクサイ」とPCを拒否し、電卓で行っていました。

しかし電卓で統計処理を行うのは大変です。
回帰分析の式を一つはじき出すのにも夜中1~2時までかかるぐらいです。

そうしているうちに卒論が遅れ始めます。
危機感を持った僕はゼミでPCに特に詳しい友達に
「ご飯おごるから使い方教えて~」とねだって教えてもらい使い始めたら、
夜中1~2時までかかっていた処理が、一瞬で終わるのです。

「コンピュータって、すげぇ!」
と感動したのが、僕にとってのコンピュータの原体験です。
おかげで卒論は無事完成し、卒業できました。

あの時、コンピュータに触れないままだったら
いまこういう仕事はしていなかったと思います。